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フェーズフリーの5原則とは?
防災対策におけるポイントも解説

 
フェーズフリーの5原則とは?

 
万が一の災害に備え継続的な防災対策が重要ですが、時間の経過とともに防災意識は薄らいでいきがちです。そのような中、防災対策においてフェーズフリーという概念が注目されています。
本記事では、フェーズフリーを実現するうえで覚えておきたい5つの原則について紹介するとともに、防災対策のポイントも解説します。


フェーズフリーの意味と注目されている背景

フェーズフリーとは、普段から使用しているモノやサービスを非常時にも役立てるという考え方であり、最新の防災対策の傾向として注目が高まっています。
テレビや新聞などでも取り上げられて紹介されているほか、フェーズフリーの製品を開発するメーカーも増えてきています。
なぜフェーズフリーは注目されるようになったのでしょうか。その背景や理由を紹介しましょう。
 

▶フェーズフリーの注目度が高まっている背景・理由

日本は災害大国であり、地震や風水害などが毎年のように発生しています。
災害への備えは欠かせないものの、時間が経過するとともにその意識は薄らいでいってしまうものです。忘れたころにやってくる災害に備えるためには、日常的に防災の取り組みを継続していくことが重要と言えるでしょう。
そこで、フェーズフリーによって日常時と非常時との垣根を取り払うことで、企業においては社員の防災に対する意識向上につながり、継続的な防災対策に取り組むことができるようになります。
フェーズフリーの基礎知識については、「フェーズフリーとは?「いつも」と「もしも」2つのフェーズをフリーにするという新しい価値観」が参考になります。


フェーズフリーの5原則

フェーズフリーの商品やサービスの選定にあたっては、5つの原則を押さえておく必要があります。
 

1.常活性:どのような状況においても利用できること

日常時にも非常時にも幅広く利用できる「汎用(はんよう)性」と、それぞれの場面で優れた機能を発揮できる「有効性」の2つの要素が重要です。
 

2.日常性:日常から使えること、日常の感性に合っていること

日頃から愛着を持って利用できるような仕様の製品であるか、日常的に手軽に入手できるか・販売しやすいか、非常時に必要な機能が備わっているかといったポイントを満たしていることが求められます。
 

3.直感性:使い方、使用限界、利用限界がわかりやすいこと

説明書やマニュアルを見なくても、製品を手に取ったときに直感的に使い道や使い方が理解できるか、さらに製品の交換時期がわかりやすいかどうかも重要なポイントです。
 

4.触発性:気付き、意識、災害に対するイメージを生むこと

フェーズフリーな商品やサービスを利用することで災害へのイメージを想起させ、非常時における行動やルール作りを考えるきっかけとなっているか、新しい商品・サービス開発のきっかけを与えているかなどが触発性にあたります。
 

5.普及性:誰でも気軽に利用、参加できること

従来製品にはない革新性や面白さがあり、周囲に広めたくなる製品であることが普及性にあたります。まわりに広めたくなる製品であることで、SNS等での拡散もあり、より多くの人がフェーズフリーな商品やサービスを身近に感じられるでしょう。


企業がフェーズフリーを実現させるための取り組み・ポイント

フェーズフリーを浸透・実現させるために、企業ができることには何があるのでしょうか。取り組みのポイントも紹介します。
 

▶組織全体での日常的な周知・啓発活動

フェーズフリーのコンセプトをもとに社内の防災対策に取り組んでいることを、全社に発信しましょう。日常的に使用している社内の備品や設備などが災害時にも役立つことを社員に意識付けることが、周知や啓発活動にあたります。
また、周知や啓発活動を行うことで、万が一の災害時でも、防災用品や備蓄品がどこにあるのかわからず混乱を来したり、いざというとき使い方がわからなかったりすることも防止できます。
 

▶備品・設備の見直し

オフィス家具や備品なども、選び方によってはフェーズフリーのコンセプトにマッチする場合があります。
例えば、執務スペースや会議室用の可動式パーティションは非常時にプライバシーを確保するための仕切りとして活用できるほか、折りたたみ式のコンテナは日常時に収納ケースとして、非常時には救援物資の持ち運び用として活躍するでしょう。
さらに、梱包資材の定番であるダンボールは避難生活時のベッドとしても代用できます。


フェーズフリーで無理のない防災対策を実現

災害はいつ起こるかわからないからこそ、継続的な防災対策が求められます。しかし、時間の経過とともに防災意識は低下していきがちで、いざというときのための十分な対策が講じられておらず、甚大な被害を受けることも考えられるでしょう。
フェーズフリーのコンセプトを意識することで、日常時と非常時の垣根がなくなり、無理せず防災対策を続けられます。

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