HOME | コラム記事一覧 | 病院に非常用電源が不可欠な理由とは?災害時に回避できるトラブルも解説

病院に非常用電源が不可欠な理由とは?災害時に回避できるトラブルも解説

 

 
多くの患者の命を預かる病院では、万が一災害が発生したときでも医療活動は継続していかなければなりません。そこで欠かせないツール・設備として挙げられるのが「非常用電源」です。

本記事では病院における非常用電源の重要性や、非常用電源を確保しておくことでどういったトラブルを防止できるのかを解説します。
 


非常用電源の種類

病院で使える非常用電源には、主に3つの種類があります。

一般非常電源

一般非常電源とは、停電後40秒以内に電力を供給する非常用電源です。
電力供給まで40秒と比較的長い時間を要するため、病院内においては比較的緊急性の低いエレベーターや照明、火災報知器などに用いられることが多くあります。

特別非常電源

特別非常電源とは、停電後10秒以内に電力を供給する非常用電源です。
一般非常電源に比べると電力供給までの時間が短いことから、心電計や脳波計といった医療用電気機器などに用いられることが多いです。

無停電非常電源

無停電非常電源とは、停電時でも遮断されることなく電力を供給する非常用電源です。
一般非常電源や特別非常電源とは異なり、停電時でも電力の供給がストップすることがないため、特に命に関わるような医療用電気機器(人工心肺装置や人工呼吸器)、手術室の照明などに用いられます。


病院における非常用電源の重要性

そもそも病院において非常用電源の設置が求められるのはなぜなのでしょうか?

医療活動の継続

病院へ入院している患者のなかには、人工心肺装置や人工呼吸器などを装着しているケースも少なくありません。停電時にこれらの医療用電気機器が停止してしまうことは、患者の命が危険にさらされることを意味します。

また、たとえば手術中に室内の照明が落ちてしまうと、その瞬間に医師の手元が狂い医療ミスなどにつながるケースも考えられるでしょう。
非常時でも医療活動を継続し、患者の命を守るためには非常用電源が不可欠です。
 

法令を遵守するため

消防法により、病院を含め特定防火対象物(旅館や飲食店、百貨店など不特定多数の出入りする建物)については、消火栓やスプリンクラーなどの設置が義務付けられています。非常時においてもそれらが稼働するよう電力を確保するため、延べ面積1,0002以上の特定防火対象物には、非常用電源の設置が求められています。

建築基準法では、延べ面積が5002を超える特殊殊建築物(消防法における特定防火対象物に該当)には排煙設備の設置義務があり、高さ31m以上の高層建造物については非常用エレベーターの設置が必要です。

また、一定規模以上の建物に非常用照明の設置が義務付けられています。非常時においてもそれらを稼働させるため、非常用電源を設置しなければなりません。
非常電源の設置は、以上のように法で定められています。


非常用電源で回避できる災害時のトラブル

病院に非常用電源を備えておくことで、災害時の停電によるさまざまなトラブルに対処できるようになります。

院内システムや情報の保全

医療機関には患者を受け入れるための院内システムや電子カルテなどがあり、停電が発生するとこれらの情報が失われるリスクがあります。
非常用電源を確保しておくことで、万が一の際にも大切な情報やシステムを失うリスクを低減できます。

薬品の適切な保存・管理

病院で使用する薬品や製剤などは、適切な温度や湿度などが管理された環境下で保存しておかなければなりません。
非常用電源があれば、万が一停電が発生したとしても保管場所及び保管設備を維持、稼働し続けることができ、薬品や製剤を適切な保存・管理状態に維持できます。

通信手段の確保

病院が被災した場合、いち早く患者を安全な場所に避難させなければなりません。
その際、院内のスタッフだけでは人手が足りず、外部への応援要請やほかの病院への転院が必要なケースも想定されます。

大規模災害で停電が発生すると、電話やインターネットなどが利用できなくなり外部との連絡がつかなくなることも想定されるでしょう。そこで、非常用電源を確保しておけば、災害時でも通信手段を確保でき、孤立を防げます。


万全な災害対策には非常用電源の適切な設置が不可欠

災害時でも患者の命を守らなければならない病院にとって、非常用電源の設置は不可欠です。非常用電源は、停電時に発生しうるさまざまなトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。災害時の医療活動の継続と患者の安全確保のため、病院は非常用電源の適切な設置・管理に努めましょう。
 
病院における非常用電源は大型の医用UPSなどが中心ですが、1台でカバーできる範囲や電力供給が可能な時間にも限りがあります。
医用UPSは患者の命に直結する医療機器に対して優先的に配備しなければならないため、たとえば避難場所での照明や通信機器の電源は後回しにされがちです。
照明の確保やPC・スマートフォンといった通信機器を充電したいときなどに備えて、小型の非常用電源を準備しておくと、より安心です。

そこでおすすめなのが大容量蓄電池「パワーイレ・スリー」です。蓄電容量は2.5kWhと大容量で、最大出力も1.4kWとハイパワーのため複数台のノートPCやスマートフォン、LED照明を使用できます。
通常時は充電ケーブルを接続・電源ONの状態で使用しておけば、万が一停電が発生した際でも電力が遮断されず自動的に非常用電源として切り替わります。
大型の発電機や非常用電源とは異なり、コンパクトで持ち運びも可能なサイズ感のため、小規模なクリニックにも導入しやすいメリットがあります。
病院の災害対策にぜひ導入をご検討ください。

パワーイレ・スリー | キキタイマガジン


病院だけでなく多くの人が集まる場所で停電が起こると、さまざまなところに支障が生じます。病院や企業など多くの人が集まる場所の停電による影響やその対策については、「停電に対する企業の備えとは?損失を回避するための対策を解説」「企業が蓄電池を導入するメリットとは?災害時以外の活用方法も紹介」が参考になります。ぜひご覧ください。

テゴリから選ぶ